書評(数理論理学)

教科書など

準備

数理論理学を習得するためには、その前に、数学の言葉を操り数学の考え方を駆使できるようになる必要があります。数理論理学は数学の一分野ですので、それについては数学の他の分野と変わることはありません。

幸い、数学の言葉と数学の考え方を学ぶことに特化して使える教科書が出版されています。目についたものを並べてみます。おそらく、他にもあるでしょう。

個人的に特に気にいっているもの
その他

入門

数理論理学を学ぶために最低限必要なセンスが三つある。

このセンスがないと、数理論理学がそもそも何を対象としているかすら理解できなくなる。

ところが、上記のセンスをもたないために数理論理学が理解できない状態に陥った人でも、わかったつもりになることは、できてしまう。普通の人には日常的な論理の感覚がある。そのため、数理論理学を学びはじめてしばらくは、日常的な論理の感覚をたよりにすれば、理解できたと錯覚できるのである。最初の段階をそれでしのいでしまうと、完全性定理のあたりで完全に理解できなくなり、壁にぶつかったと感じてしまう。本人は、今まではわかっていたのに急にわからなくなったと感じるだろうが、実は、最初からわかっていなかったのである。

その状態からリハビリするには、内容を絞って基本的な考え方を詳細に説明した入門書を読むのが良い。それに適した本を二冊紹介する。

ただし、世の中にはこの種の入門書を必要としない人も存在する。 どういうわけか数理論理学を学ぶ前から上記のセンスをもっている人がそうである。そんな人には、簡潔で要点をついた記述の初級教科書のほうが適している。そんな人は、ここで紹介した二冊は教科書ではなく読み物として楽しむとよい。

初級〜中級

上級

計算論

計算可能性解析学

自然数の関数の計算可能性の定義については、いわゆる「Churchの提唱」で結着済みである。有理数については 符号・分子・分母 の三つ組で表現できるので、自然数の場合に帰着できる。では、実数の場合はどうすれば良いだろうか。こちらについては、結着済みとまではいえないが、有力な考えかたがある。実数を有理数による近似列で表現して、自然数の関数の計算可能性に帰着する方法である。実数を有理数によって任意の精度で近似できる事実を活用するのである。

アイディアだけは第二次大戦前にTuringがあたためていたようだが、本格的に研究成果が出てきたのは、1954年のRiceの論文で、計算可能な実数全体が実閉体をなすことが発見されてからといえるだろう。つまり、研究の歴史は、まだ、約半世紀しかない。長い数学の歴史にとってはつい最近である。まだ立ち上がったばかりの分野で、今なら基本的な定理の発見者になれる可能性が高い。おいしい分野だと思う。

まだ、えり好みできるほと多数の教科書が出版されていないので、あるものを並べる。

おまけ:田崎さんの問いかけへの回答案

集合論

とりあえず、私がかつて集合論を学ぶのに使った本の紹介。
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鴨 浩靖